「不妊症の妻と離婚したい」男性は少なくありません。
- 子供が欲しいから離婚したい
- 不妊治療から解放されたい
以上のような悩みに苦しんでいます。
本記事では、不妊症の妻と離婚する手立てを考えます。
不妊症の妻と離婚する方法はあるか?
以下のテーマに沿って解説していきます。
- 不妊症の妻と離婚するのは冷酷か?
- 不妊症で離婚は認められるか?
- 不妊症の妻と離婚する手順
不妊症の妻と離婚するのは冷酷か?(1)
不妊症の妻と離婚することに引け目を感じる人がいます。
実の両親や友人・知人に相談した結果「冷酷な人間」と認定されることもあります。
妻の不妊症を理由に離婚を希望することは冷酷なのでしょうか?
冷酷な人間か判断する鍵は、離婚を切り出す過程にあると思います。
例えば、不妊治療の専念中に突然離婚を切り出す行為は冷酷だと思います。
なぜならば、妻の気持ちを全く考えていない行動・考えだからです。
不妊治療に専念している妻は「夫は不妊治療に理解してくれている」と考えています。
「突然何をいいだすの?」と妻がストレスを感じることは容易に想像ができます。
冷酷な態度をとるということは、それ以上の仕打ちを受ける覚悟が必要です。
なるべく円満に離婚するためには、冷酷な態度は控え誠意ある対応が必要です。
具体的な方法については、後ほど説明したいと思います。
不妊症で離婚は認められるか?(2)
裁判で離婚が認められる理由は、以下の5つです↓↓
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 回復の見込みのない重度の精神病
- 婚姻を継続しがたい重大な事由
不妊が「5 婚姻を継続しがたい重大な事由」と認められれば離婚は成立します。
しかし、不妊が「婚姻を継続しがた重大な事由」だと認めらた判例は聞いたことがありません。
「婚姻を継続しがたい重大な事由」と認められる事情は以下のようなものです↓↓
- DV・酒乱
- 性の不一致
- 浪費・多額の借金
- 親族との不和
- 過度な宗教活動
- 不労
- モラルハラスメント
いずれも正常な夫婦生活を継続する上で、障害になる事情がばかりです。
一方で、不妊は「夫婦生活に支障を与える」ものではありません。
そのため「不妊」だから「離婚」という論理を認めさせるのは困難でしょう。
但し不妊をキッカケに夫婦関係の破たんを主張する事は不可能ではありません。
例えば、以下のような流れで離婚が認められる可能性があります↓↓
- 不妊治療に挑む姿勢が夫婦で異なる↓↓
- 夫婦間の争いが絶えない↓↓
- 長期間の別居生活↓↓
- 夫婦関係の破たん
つまり、長期間の別居生活により夫婦関係の破たんを認めさせる必要があります。
不妊症の妻と離婚する手順(3)
不妊症の妻と離婚するヒントを順を追って提供していきます。
- 将来の展望を描く
- 夫婦で話し合いを尽くす
- 強制的な手段に出る
将来の展望を描く(3-1)
離婚を考える上で出発点になるのはあなた自身の感情です。
「●●しなければいけない」という固定観念は一切捨てて下さい。
- 不妊治療が成功しないのは我慢できない
- 不妊治療と向き合い続けるのが辛い
以上のような考え自体は、非難されるべきことではありません。
「子供が欲しい」、「子供は欲しくない」の考えに正解などあるわけがありません。
親、妻、同僚、友人・知人の意見は無視して、自分の気持ちに素直になりましょう。
夫婦で話し合いを尽くす(3-2)
夫婦が婚姻時の気持ちのままでいることは難しいのが実情だと思います。
絶対に子供が欲しいと思っていても、気持ちが変わることがあります。
逆に、特別な希望がなかったのに「子供が欲しくてたまらない」となることもあるでしょう。
人の価値観は時間の経過により変化するのが自然です。
あらためて、夫婦で今後の将来設計について話し合うことをお勧めします。
子供が生まれた後は「子供の幸せ」を考える義務が生じます。
夫婦の合意があっても、離婚に踏み切れないこともあるでしょう。
その証拠に、夫と離婚したくても「子供のために」離婚を踏み留まる女性は非常に多いです。
結婚が夫婦間の問題であるうちに、夫婦で将来設計について認識を合わせておきましょう。
具体的には、以下のテーマで話しあうことになるでしょう。
- 子供は欲しいか?
- 子供は何人欲しいか?
- 不妊治療を始めるか?
- 不妊治療はいつまで頑張るか?
- 不妊治療に失敗したら離婚するか? etc
以上のテーマを夫婦で話し合わないまま「離婚」という結論を下すのは早計です。
夫婦で話し合いをしないまま「結論」を伝えて失敗する人は沢山います↓↓
- 両親に告げ口され殴られる
- 奥さんがうつ病を発症
- 奥さんが自ら命を絶とうとする
- 慰謝料を請求される
- 強烈に恨まれる etc
特に、感情的なもつれが「恨み」にまで発展すると離婚までの道のりは遠のきます。
例えば、奥さんが捨て身であなたを苦しめる手段にでるかもしれません。
「夫が幸せになるぐらいなら苦しめてやる」と考えないとも限らないのです。
但し、誠意を尽くした上で離婚したい気持ちが揺るがなければ強制的な手段も必要でしょう。
婚姻生活に絶望を感じ、あなた自身が潰れてしまっては元の子もありません。
強制的な手段に出る(3-3)
話し合いで離婚が合意できない場合、どうすればよいでしょうか?
「話し合えばなんとかなる」という気持ちの一切を捨てきる覚悟が必要です。
そのためにも、先ほど説明したあなた自身が真に望む将来を再度思い出しましょう。
離婚しないと望む将来が手に入らないなら、離婚するしかないのです。
そして、妻を尊重し、誠意ある対応で納得しないなら強硬手段も致し方ありません。
全てを捨てる覚悟で別居を選択しましょう。