離婚の親権を父親が考える時のポイント3選

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離婚の親権を父親が取得するための注意点は?

父親が子供の親権に対する意識がまだまだ低いのが日本の現状です。

離婚問題を協議する前に知っておけば子供の親権を一方的に奪われずに済んだのにと、

一生悔やんでも悔やみきれない過ちを犯す前に、知っておいて損はない知識を紹介していきます。

離婚の親権を父親が取得する3つのポイント

離婚の親権を父親が取得するために心得ておくべきことは、以下の3点です。

  1. 妻による子供の連れ去りを防ぐ
  2. 監護者として相応しい証拠を整理する
  3. 面会交流権は妥協しない

妻による子供の連れ去りを防ぐ

結婚している夫婦が同居している場合には、子供の親権は夫婦二人で所有しています。

しかし、別居する際に妻が子供を連れ去った時点で、実質的に子供の親権は妻が握ってしまうことになります。

別居する時に、必ずしも子供の親権について合意が取れているわけではないため争いに発展することも少なくありません。

ここで、男性側には色々な疑問が頭の中を駆け巡ることになるでしょう。

妻に別居された男性が抱く、代表的な疑問は以下の2点だと思います。

  • 夫婦の同居義務に違反しているので連れ戻せないのか?
  • 子供を一方的に連れ去るのは犯罪なのではないか?

結論から言えば、仮に妻の同居義務違反が認められたとしても、裁判所が強制的に妻を家に引き戻すことはできないようです。

恐らく、日本国憲法で認められた「居住・移転の自由」により、自分が住みたくないところに強制的に住居を映されない権利が保証されているからだと思われます。

また、子供を一方的に連れ去るのは、「日本では」犯罪として立件されることは少ないようです。

但し、一度妻に連れ去られた子供を夫が連れ戻すのは、犯罪に問われる可能性があるので注意が必要です。(後述)

ここまでをまとめると、一度妻に別居されてしまえば、妻と子供を連れ戻すことは難しくなります。

ですから、まず最初に気を付けるべきことは、別居する際に子供を連れ去られないようにすることです。

では、一度妻に別居されてしまえば、子供の親権は諦めなくてはならないのでしょうか。

男性の中には、子供の親権を諦められない人も多いでしょう。

ここからは、そのような思いを抱える男性向けに記事を書いていきます。

監護者として相応しい証拠を整理する

ここからは、妻に別居されると同時に子供を連れ去られてしまった場合の対処法についてお伝えします。

妻が子供の引き渡しに応じない場合には、家庭裁判所に対して「監護権の指定」と「子の引渡し」の審判を求めることになります。

つまり、「子供の世話をするのは自分が相応しいので、妻に対して子供を引き渡すように命令して下さい」とお願いするのです。

しかし家庭裁判所に審判を申し出たからといって、必ずしもそれが認められるわけではありません。

過去の事例をみると、子供を連れ去った側に有利な判決が下ることが多いのです。

その背景には、子供の親権(監護権含む)を決める基準が「母親か?」「現状維持か?」の2点が最重要視されているからです。

つまり、母親が子供を連れ去った場合には、そのまま子供を母親と一緒に生活させるのが子供の幸せなのではないかと判断されやすいというわけです。

この苦境を打開するためには、自分が相応しいことを主張するしか道はありません。

妻よりも自分の方が子供の成長を見守るのが相応しいと客観的に判断できる証拠を探してください。

もしくは、子供の健やかな成長の妨げになる妻のマイナスポイントを証明できるか考えてみて下さい。

但し、実際に「監護権の指定」と「子の引渡し」の審判を求めるとなると、書類の作成が必要です。

具体的には「監護権指定・子の引渡し審判申立書」を作成する必要があるのですが、なぜか裁判所が指定するフォーマットが公表されていません。

また、一度妻に連れ去られた子供を合法的に連れ戻すのは、弁護士でも難しいと言われています。

子供が妻に連れ去られた時点で既に不利な状況にある、あなたと一緒に戦ってくれる弁護士を探すのが賢明だと思います。

但し、もしも離婚調停中であれば、まずは家庭裁判所の調停委員に主張してみると良いでしょう。

その上で、もしも自分の主張が認められないのであれば、弁護士に相談すると良いでしょう。

面会交流権は妥協しない

妻から子供を奪われてから出来ることを全てやったとしても、子供の親権を入手できるとは限りません。

残念ですが、それが現実です。

日本では、離婚すると子供の親権を手に入れられるのは片方しかありません。

別居時に子供を連れ去った方を優遇するのはおかしい」という考え方が国際的には主流であり、その権利を守る「バーグ条約」に日本は2014年に加入しています。

しかし、その条約が提供される範囲は、国際結婚に限られているようです。

今後は、日本でも父親の親権に対する意識が高まっていくことが期待されますが、実際にどうなるかは誰にもわかりません。

親権を妻に奪われた夫の最後の拠り所となるのは、面会交流権です。

面会交流権とは、離婚後に子供と会う取り決めのことです。

したたかな妻であれば、慰謝料や財産分与の取り決めを協議離婚書という書類にまとめ、

尚且つ協議離婚書に強制力を持たせるために、公正証書にすることを要望すると思います。

公正証書の取り決め自体は、必ずしも応じなければいけないものではありません。

特に、奪われるものが多い男性側からすれば、拒否すべきものの一つです。

もしも応じる場合であっても、慎重すぎるぐらい慎重に協議書を見直すべきです。

妻側の弁護士に任せるのではなく、こちら側でも弁護士に相談して書面を調整するのが望ましいほど重要なものです。

さて、親権を奪われ、今まで稼いできた財産もその半分を夫婦共有財産だと主張される男性が一矢報いるのは、面会交流権の他ありません。

ここは、もしも面会交流権が守られなければ強い罰則を設けるぐらいの気持ちで臨みましょう。

子供が可愛いのは、子供が小さい頃だけです。

子供は気付けばすぐに年を取って大人になり、憎たらしい部分が出てきます。

それでも実の子供であれば可愛いかもしれませんが、子供の頃の可愛さには及ばないと思います。

その辺りの考え方は人それぞれでしょうが、大切な時期に子供を見守れないのですから、子供と会う権利は死守しましょう。

父親の子供連れ去りが罰せられた事例

最後に、父親が子供を連れ去った結果、罪に問われてしまった事例を紹介します。

その事例とは、「離婚裁判中の父親が、別居している母親が育てていた2歳の子供を、子供が母親と一緒に保育園から帰宅する途中に背後から近づいて抱きかかえて連れ去った」という事案です。

最高裁まで争った結果、「未成年者略取罪」が父親に下されてしまいました。(最高裁判所平成17年12月6日第二小法廷決定)

その主な理由は以下の4点です。

  • 監護養育上、連れ去りを正当化する特別な理由がない
  • 連れ去り行為が粗暴で強引
  • 子が自分で判断・選択することができない2歳児である
  • 父親に連れ去り後の監護養育について見通しがなかった

結果として、離婚裁判中で親権が確定していない場合であっても、子供を連れ去った時点で罪に問われる前例ができてしまいました。

もしも、子供が虐待を受けていたり、監護養育についての見通した立っていたとしても、罪に問われる可能性がある以上は連れ去りはお勧めできません。